こんにちは、技術部の中田です。
このたび弊社では、2025年4月14日をもって、従来の活動拠点である草津ファクトリー(橋岡)およびテクノファクトリー
(野路)の2拠点を統合し、新たに草津ファクトリー(新堂町)へ移転いたしました。
それに伴い、同年5月8日には新工場の開設を記念し、「新工場披露祝賀会」を開催いたしました。
祝賀会は二部構成で行われ、第一部では外部講師をお招きし、「パルスパワー技術」に関する講演会を実施、第二部では関係
各位との懇親を深める祝賀会を催しました。
個人的には、第一部の講演が特に印象に残っております。
各講師の先生方がそれぞれ異なる観点から長年の経験を活かしたご講演をなさり、いずれも大変示唆に富んだ内容で、技術者と
して非常に有意義な時間を過ごすことができました。
さて、今回祝賀会の話題に触れたのは、私が当日披露した出し物についてご紹介したかったためです。
祝賀会の後半では「テスラコイル」と呼ばれる装置を用いて、放電によって音楽を奏でるデモンストレーションを行いました。
ただ、大勢の前での披露ということもあり、やや緊張してしまい、装置の技術的な説明が十分にできなかったと反省しており
ます。
そこで、本記事にて簡単に補足させていただきます。
この装置では空芯トランスを用いて高電圧を発生させ、その高電圧によって空気の絶縁を破壊し、コロナ放電を生じさせてい
ます。さらに、数百kHzの高周波で高電圧を変調することで、放電を安定的かつ伸びやすくしています。
次に、音楽を奏でる原理についてです。
放電が起きると、瞬間的に空気が膨張し、その衝撃で音が発生します。これは雷が鳴るのと同じ原理です。その放電の繰り返し
周波数を制御することで、音の高さを変化させ、メロディを作り出しています。
低い周波数では低音、高い周波数では高音が鳴ります。イメージとしては、大型の昆虫は羽ばたきの回数が少なく低音、小型の
昆虫は回数が多く高音、という違いと似たようなものです。
なお、使用したテスラコイルは私が学生時代に製作したもので、長らく押し入れの奥で眠っておりましたが、久しぶりに稼働さ
せる機会を得て、当時の思い出がよみがえり、非常に感慨深いひとときとなりました。
本祝賀会を通じて、新たなスタートを迎えた工場とともに、技術者としての原点も再確認する貴重な機会となりました。